Madenokoujiのブログ

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冬場の浴室のヒートショックを防ぐシンプルな方法🛁

交通事故よりもこわい「冬の浴室」

寒い日は、早く家に帰って温まりたいと思う。しかし、家の中に思わぬ危険があり、それは「浴室」なのだ。

厚生労働省の統計によると、浴室で亡くなる高齢者の数は、交通事故で亡くなる人の約2倍になる。特に65歳以上の高齢者の死亡事故が多く、毎年11月から4月に多く発生している。

「防ぎたい」そう願う方や、大切な人がいるあなたに、知っておいて欲しいお風呂での血流対策を伝授する。

第一は「お湯の量」についてである。体をどこまでお湯につけるかが、とても重要なのだ。子供の頃、両親から「肩までしっかりつかりなさい❗」「100数えてから上がりなさい❗」と注意されたかもしれない。あるいは今はあなたが、子供さんにそう言い聞かせているかもしれない。

 

心臓に無理をさせない「お湯の量」が大切

実はこの入浴方法、血流改善の観点から考えると非常に危険である。悪い入浴方法の代表例なのだ。理由は簡単で、肩までつかると血管が水圧によって押さえ付けられてしまうからだ。心臓よりも高い位置まで湯に浸かると、静脈の圧よりも水圧が高くなってしまう。そうすると、手足や内臓の静脈が圧迫され、血液が心臓に向かって一気に移動してしまう。すると、心臓は増えた分の血液をくみ出すために、無理して働くようになってしまうのだ。

肩まで浸かっている本人は、「いい湯だな」と思っていても、体は心臓に負担がかかるという「緊急事態」への対応で非常に無理をしているのだ。仮にこの状態のまま長風呂をしてしまうと、血流が落ちて心臓や肺に大きな負担となってしまう。

そして、さらに大きな問題が、「お湯から上がるとき」に起こるのだ。

 

浴室での「立ちくらみ」が命を奪う

水圧でぐっと収縮し、心臓へ血液を戻していた手や足の静脈は水圧から解放され、一気に弛緩する。しかも立ち上がるので、重力によって下半身に向かって血液が勢いよく流れ出すのだ。すると、一時的に脳へ送られる血液量が減り、目の前が暗くなる。起立性低血圧症の状態で、所謂立ちくらみが起きフラフラと倒れてしまうのだ。これが、大変危険である。もし、昔風の深い湯船だった場合、倒れた拍子に頭を打ち意識を失い溺れてしまうとの最悪のケースに陥る可能性もある。

最初に記載したように、自宅で亡くなる人が命を落としている場所は、圧倒的に「浴室」であるのだ。特に高齢の方は、加齢によって血管のやわらかさが失われているため、リスクが高まる。また、医師から心臓が弱いと指摘を受けている方、高血圧の方は肩までしっかりつかってはいけない。立ちくらみ,脳虚血,失神の原因になり兼ねない。

みぞおちまでつかる「半身浴」や、「湯量は腰まで」の徹底が大切である。

毎日、何℃のお風呂に入っていますか❓

血流を整える入浴法で湯量と並んで大切なのが、「お湯の温度」である。入浴に関する全国調査によると、日本人のお風呂の平均湯温は「41℃」とのことだ。この数字を目にして、「ぬるめだな」と思った人は要注意である。あなたが入っているお風呂は熱すぎだ❗

 

高齢者は「熱すぎて危険」なお湯につかっている

高齢者になればなるほど、熱いお風呂を好む傾向がある。これは皮膚の「温熱感受性」の劣化によるものである。皮膚の表面に温点、冷点と呼ばれる熱い、冷たいを感じとるセンサーがある。実はこの温点・冷点の数は、年齢を重ねる毎に減少する。

最新の研究によると、温点・冷点は、20代と70代を比べると約半分になるとのデータもある。なかでも湯船に入る時、最初にお湯に触れる足先の温点・冷点は、20代に比べ70代では3分の1との数値もある。その結果、熱い,冷たいの識別が鈍くなり、子供なら「絶対無理❗」と飛び出すような湯温でも、高齢者は「ほぉう」と吐息をもらしながら肩までつかることができる訳である。しかも、特に冬場はついつい長風呂になりがちである。そのとき湯温が高いと、疲労,脱水,血管虚脱(血管がひろがりすぎて、血流が落ち、脳へ必要な酸素や栄養素が届かなくなる)といった症状を引き起こす可能性があり、かなり危険な状態になる。

湯温は自分の肌感覚だけではなく、「数値」で把握すべきである。また、高温のお湯につかることは、入浴のメリットであるリラックス効果を妨げてしまう。お風呂でリラックスするかどうかは「交感神経」と「副交感神経」の働きと深く関連し、湯温がその切り替えスイッチのような働きを果たしている。

副交感神経の働きが高まれば、精神的に落ち着き、末梢血管も拡張し、血圧は下がっていき、血流が向上する。また、心臓の負担も軽くなる。一方、交感神経の働きが過度に高まると末梢血管が収縮する。末梢の血流が落ちるため、心臓はより多くの血液を循環させようと負担を強いられながら、働くようになる。当然、血圧は上昇してしまう。お湯がぬるめか、熱めかによって、入浴時に交感神経と副交感神経のどちらの働きが高まるかが決まる訳である。

断然ぬるめをお勧めする。ぬるめの湯温とは、冬なら40℃、夏なら38℃である。一方、41℃以上は熱めの湯温になる。

体が疲れている時は、ぬるめのお湯に10分ほどゆっくり浸かるのが良い。これで副交感神経が働き、末梢血管が拡張する。入浴から5分経過すると、白血球,リンパ球,がん細胞を倒すNK細胞など免疫力を支える免疫細胞が増えることが分かっている。勿論、血流も整い、体の隅々まで栄養と酸素が行き届き、疲労物質も回収・排出されるので、疲れが軽くなるのだ。

 

第二の心臓を動かす「足先クイクイ体操」

みぞおちまでの湯量、ぬるめの湯温と入浴時のポイントを記載したが、最後にお風呂でできる「血流アップ体操」を紹介する。その名前は、「足先クイクイ体操」である。

湯船につかり、足を伸ばして(伸ばせない浴槽なら、入浴後に行ってもOK)、つま先を上、前、上、前と、クイ、ストン、クイ、ストンと前後に10回ずつ動かすようにする。すると、直ぐに「第二の心臓」と言われるふくらはぎの筋肉がググッと動いているのを感じるはずである。温まり、血流のアップしている体に対して、さらなる刺激を加え、すっきりと疲労物質を洗い流す効果が期待できるのだ。

ちなみに、この「足先クイクイ体操」には、中高年の女性に多い「深部静脈血栓症」を予防する効果がある。「深部静脈血栓症」は別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれ、亡くなる方も少なくないことも知られている。飛行機や自動車などの狭い座席に長時間座り、立ち上がって歩き出した時に呼吸困難に襲われ、倒れてしまうのだ。飛行機の乗客だけでなく、タクシードライバーなど、座りっぱなしの状態が続いた方が多くこの症状に見舞われている。

同じ症状は、手術後に入院する場合があるICU(集中治療室)でも発生しやすく、医療関係者は厳重に注意を払っている。特に、しばらく寝たきりで過ごす患者さんの足には、電動でふくらはぎを揉みあげていくフットポンプと呼ばれる機器を取りつけることもある。

血液がスムーズに流れることは、体にとって非常に大切なことなのである。

 

私見

私は一人っ子である。故郷でお袋は一人暮らしをしていた。約5年前の明日から旧盆の連休との日に、お袋から「チョット調子が悪いので来てくれない」との連絡があった。明日になると高速の渋滞が予想されるため、取り急ぎ実家へ帰った。連休中に戻るつもりであったが、お袋の言動が普通ではなかった。そこで、連休後内科の主治医の診察を受けた。先生から私では判断できないとのことで、総合病院の受診を指示された。そこでの受診の結果、所謂年寄り病と診断された。先生から病気の進行を遅らせるとの薬を処方され、看護婦さんからここに連絡するようにと電話番号を教えられた。後になって分かったのだが、この電話番号は包括支援センターの番号であった。そこから全く予備知識もない約2年間のお袋の介護生活に突入してしまった。

当然私にできることはお袋の監視程度で、ケアマネージャー,ヘルパーさん,デイサービスの方々等のサポートを受けた毎日の生活であった。我が家は60年以上前に建てた木造住宅だった。入浴はヘルパーさんにお任せし、私は前述のような内容を気にすることはなかった。ただ家が古いため隙間風があり、冬になると脱衣所が寒くなる可能性があるため、人感センサー付きの温風器を設置した。所謂ヒートショックの対策である。

約2年間の生活後お袋は屋内の段差で転倒し、足の付け根を骨折(大腿骨頸部骨折)したため、手術とその後のリハビリで約1ヶ月半入院した。比較的歩けるようになり退院できた。家の段差もかなり改造し、再度の転倒防止対策を実施した。

しかし、病院での寝癖がつき、家に戻っても寝てばかりの生活になってしまった。そこで、ケアマネージャーと相談し老人ホームを考えるようになった。運よく最初の見学で良い物件が見つかり、即入所した。お袋は老人ホームではシルバーカーを使い、規則正しい生活ができるようになり大丈夫だなと思った。そのような頃、コロナがまん延し私が老人ホームへ行くことが不可能となってしまった。約1年後お袋は肺炎になり簡単に治るようなお話であったが、急変し残念ながら89歳で亡くなってしまった。

浴室とはあまり関係のない私見となってしまったが、介護生活に関し何らかの参考になれば幸いである🙂

 

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toyokeizai.net