Madenokoujiのブログ

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トヨタが水素に拘る理由🤨

トヨタ自動車燃料電池自動車「FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)」、そして水素の活用戦略が変化してきた。インフラを含む周辺環境整備への注力を拡大している。しかも、『水素の「仲間づくり」』を展開している。

モビリティの活用により水素社会実現のため中核になるというトヨタの強い決意だ。

2014年に初代モデルを、2020年に2世代目に進化した「MIRAI」は売れていない。水素充填インフラが充実していないためと考えられる。

 

インフラ構築に踏み込む

当初トヨタはクルマが魅力的なら、インフラも自然に整備されてくると予想していたと思われる。しかし、「MIRAI」は売れず、当然インフラの構築も進まない。

そこで、トヨタが方針転換をしたように感じられる。資源のない日本が水素社会に舵を切っていくために、「MIRAI」に限らずモビリティを活用し、水素社会実現へ導くとの考え方だ。そして、トヨタは協賛社を増やすという手法を進めつつある。

そのキーポイントは、水素が使われる世の中を実現すると言うことだ。需要が増えれば貯蔵や輸送などのコストが下がり、一層の需要を喚起することになる。多くの事業社の参入を促すことにもつながるはずである。

商用車での水素活用への取り組みは、始まっている。燃料電池小型トラックを用いた実証実験は行われており、大型トラックの開発も進んでいる。トヨタ日野自動車と共同でFC(Fuel Cell)大型トラックを開発し、今年5月の富士24時間レースでCJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)との共同出展でお披露目を実施している。そして5月から、アサヒグループ、西濃運輸、NEXT Logistics Japan(NLJ)、ヤマト運輸の4社で、この車両を用いた走行実証も開始済みである。

物流に水素が活用されれば、水素ステーションはある程度の稼働が保証できる。商用車の多くは運行スケジュールが決まっているので、どこのステーションにどれだけの水素を用意しておけばいいのか把握しやすい。これによって、新たな水素ステーションの設置も定量的に考えられ、インフラ充実にも繋がるはずである。

 

行政を巻き込んだ水素活用の推進

7月に大分県のサーキット、オートポリスで開催されたスーパー耐久シリーズのパドックでは、新たな施策が公開された。福岡県でスタートしたB to G「企業と政府間のビジネス(Business to Government)」、つまり行政と一体化した水素利活用の取り組みである。

核は市民生活を支える車両のFCEV化である。福岡市の小中学校ではすでに給食の配送用トラックとしてFCEVが使われている。更に救急車、医療車、ゴミ収集車、公共交通などもFCEV化していく予定だ。

FCEVのBEV(Battery Electric Vehicle)に対する大きなメリットは、水素充填時間が3~5分程度と非常に短いことだ。BEVは充電中使用できないため、運行管理が大変で救急車のような緊急車両に使うのは難しい。

県庁や市役所などに水素ステーションを設置し、こうした車両をFCEV化すれば、水素が安定して使われる環境が整う。また、近日登場予定の新型「クラウン セダン」にはFCEV仕様も設定されるので、公用車としてこれを使用するアイデアも、すでに提案されている。

クラウンに新たにセダンを用意する意図はそこを目的にしていたと考えると、さすがトヨタらしい施策が浮き彫りになる。今地方自治体がセンチュリーのような「高級車」を運用していると叩かれるという風潮がある。地域社会への貢献にもつながるという大義名分が成り立てば、FCEVクラウンの導入に文句など出ないと考えられる。

また、FCEVのゴミ収集車にはCO2低減だけ以上にメリットがあるようだ。福岡市ではゴミ収集を夜中に行っており、従来のエンジン車では走行だけでなく、車載されている装備もエンジンの騒音がうるさい。FCEVゴミ収集車はこれらも電動化していることから、夜間の動作時でも非常に静かで安心して運用できる。このFCEVゴミ収集車は今年度、福岡市で1台の車両で実証実験を行う計画だ。更に、既に多くの自治体から引き合いもあるようだ。

このような施策で水素の活用は、脱炭素への貢献が求められている地方自治体には、有力な選択肢となる。トヨタはB to G、つまりターゲットを県や市等に絞り、水素活用によるトータル的な有効性を提案しようと考えている。

 

「水素欠」対策にJAFと給水素車も開発

9月に栃木県の「モビリティリゾートもてぎ」で開催されたスーパー耐久シリーズ第2戦で、トヨタJAFと開発した給水素車を公開した。渋滞など様々な理由で「水素欠」となり路上に停止した車両に、水素を充填するための車両だ。

これがエンジン車なら燃料を運んできて給油すればまた直ぐに走り出せるが、FCEVではそうはいかない。現状ではレッカー車で運ぶしかないが、この給水素車があればその場で充填が可能である。行われたデモでは、数分で200km近く走行できるだけの水素を充填することができた。同じように「電欠」となったBEV向けには、すでに充電車が稼働し始めている。しかし、充電には時間が掛かるため、時間をかけても高速道路なら次のPAに行けるだけの最低限の電気を供給するだけになる。一方水素ならば、短時間での救助が可能になるのだ。

ただし、現状ではこの給水素車を、実際に運用することは不可能だ。実は水素を貯めておく高圧水素タンクの規格は、現状産業設備用の定置式を前提としており、移動式でも同じ規格が適応されてしまう。それに従うと、1カ月前からどこでどれだけ充填するかを高圧ガス保安協会などに報告し、周囲に防護壁を作り‥‥が必要になってしまう。当然、緊急で渋滞中に停止しているFCEVへの対応は不可能である。現在は経産省国交省消防庁警察庁など様々な省庁と連携し、規制の緩和、見直しの検討をしているのだ。もちろん安全は何よりも重要で、実際に車両を作りテストを重ねて、着実に安全性を証明することが求められる。

 

日本は水素の有益性を実現できるか

「世界は既に水素活用の傾向に向かっており、ヨーロッパ、中国の攻勢は物凄い。世界が相手の競争で、開発に遅れる訳にはいかない。日本の開発技術をベースに世界展開したいが、まだまだ課題は多い。今の日本は優位な地位にあるが、企画,開発,生産,サービスまでの全体を、日本の技術で実現し日本の顧客に提供しなければならない。そして、そこでの成果を世界展開したい。水素で遅れてしまうと国力が下がってしまう。水素社会実現の主導権をトヨタに任せて欲しい。そして、国にはもっと早いペースでフォロー頂けると有難い。」もてぎのパドックでそう話してくれたのはトヨタ中嶋裕樹副社長兼CTOである。

水素の話になると、今もまだトヨタだけが力を入れているという見方をされることは多い。しかし、水素社会はトヨタの悲願ではなく、もはや世界の潮流になっている。ここでの立ち遅れは、まさに国力に関わる。この分野で世界的な優位性を確立できれば、日本として未来の展望が開ける。

トヨタは「仲間づくり」という言葉を使って、日本の技術を集めて世界と戦おうとしている。水素は、今ならまだ世界をリードできる分野である。国にはグローバルな視野に立ち、官民一体となって技術開発を加速させることの助力を願う。

 

私見

今回このニュースを自分なりに解釈していて、コストの話題が抜けていると感じた。

私の調査では、「FCEVは比較的、大型で長距離走行する機会が多い車両に向いている。一方、BEVは小型で都市部を中心に使われるシティコミューターに適しているというのが一般的な認識となっている。つまり、FCEVとBEVは優劣を争う関係ではなく、補完し合う関係にある」との事であった。また、『水素は「発電、産業、運輸など幅広く活用されるカーボンニュートラルのキーテクノロジー」であって、この分野は日本が先行し、欧州・韓国も戦略等を策定して追随してきている。今後は新たな資源と位置づけて、自動車用途だけでなく、幅広いプレイヤーを巻き込むことを目指していくべきである。つまり、水素エネルギーは社会で広く活用されるもので、FCEVはその一部に過ぎないのである』との結論を得た。

🔵詳細

www.nippon.com

私の「コスト」との問題提起に関し、前記文献は回答として適切ではない。しかし、「カーボンニュートラル」は現代の日本だけでなく地球レベルにおける課題である。近年多発している異常気象は、今後ますます大規模で強大になる事が「確実」と思われる。水素を活用した「カーボンニュートラル」は、「コスト」より優先度が高い事は間違いないと判断した。

 

尚、JRの「ディーゼル機関車」と「気動車」も、環境対策は徐々に進んでいるようだが、FC大型トラックの技術が活用できるように考えられる。そこで、それらの総数を調査し、2,683両との結果を得た。

🔵詳細

・総数▶️https://www.env.go.jp/chemi/prtr/result/todokedegaiH16/syosai/16-17.pdf

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

 

詳細

toyokeizai.net