Madenokoujiのブログ

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EVは本当に環境に優しい❓

EVは本当に環境に優しいか

近頃の世界の自動車産業は、EV(電気自動車)をターゲットに進化しているように見られる。しかし、その動向に変化の兆候を感じる。カーボンニュートラルを実現する技術は、EVだけではないように思われる。今後は、それらの中で何がキーテクノロジーになるのかを、俯瞰的に考察する必要があると考える。

その切っ掛けは、23年3月に発表された欧州委員会の方針転換があげられる。EU欧州連合)理事会と欧州議会は、「35年までにすべての新車販売をEV義務化」すると22年10月に合意した。しかし、EUの行政執行機関である欧州委員会とドイツ政府が協議した結果、合成燃料「e-Fuel」を使うエンジン車の新車販売については、35年以降も引き続き容認されることになった。

更に、EV義務化に対してユーザーからも疑問の声が上がり始めている。その一例として、世界でもっともEVが普及している国の一つであるノルウェーの実情である。22年の乗用車新車販売は、約8割がEVで占められていた。EVの普及で問題になった点が、充電の困難さである。ノルウェーはEVの公共充電器を国が大幅に増設し、22年には約2.4万カ所にした。しかし、それでも設備不足のため、街中の充電器には長蛇の列ができているのだ。

EVの充電は時間が必要である。技術的には急速充電も可能だが、バッテリーの寿命が短くなることを回避するため、結局長い時間をかけて普通充電しているのだ。また寒い地域ではヒーターをよく使うため、電気の使用量も多い。普通でも手間が掛かるのに、充電しても直ぐにまた充電が必要になってしまう。使い勝手の悪く、ユーザーから否定的な意見が増加することは納得できる。

加えてEVには、もっと根本的な問題もあるのだ。EVはCO2削減に、本当に役立つのかとの点が疑問なのだ。EVそのものは電気で走るため、CO2を排出しない。しかし、世界の電力の6割以上は石油や石炭などの化石燃料からつくられているのだ。一見クリーンに見えるEVも発電方法も含めるとクリーンではなく、効果的と思われるイメージほど地球環境に優しくないのだ。

CO2排出量減少に、EVは本当に理想的なのか❓

例えばトヨタのHV(ハイブリッド車)は、40リットル給油すれば1,000キロ走ることが可能である。エンジンと電気モーターを内蔵するHVは、従来のガソリン車と比較して走行距離あたりの燃料消費量が格段に少ない。化石燃料で作った電気で走るか、それとも少ない化石燃料で効率よく走る車を開発するか、それとも全く別の道を探すか、この点について議論する必要があると考えられる。

専門家の間では長年その議論が行われてきたが、明確な答えがないまま「EVこそカーボンニュートラルの主役」というイメージになってしまった。各国政府はEV普及に積極的に補助金を出し、理性を失ったかのような状態が続いていた。

しかし、ノルウェーで充電問題が表面化したことも切っ掛けになり、異様な空気が変化しつつある。イギリスやスウェーデン、中国はEV購入補助金を打ち切ったのだ。持続可能な社会のためにどのような自動車がベストであるかを、今後はイメージの観点から脱却した議論をするタイミングであると思われる。

 

中国ではEV墓場が問題に

EVに勝る技術は、何があげられるだろうか❓

まず第一にあげられるのはHVである。トヨタが得意のガソリンで走りながらつくった電気でモーターを駆動する方式と、充電した電気がなくなったらガソリン走行に切り替えるPHEV(プラグインハイブリッド車)方式がある。

そして、EVでもHVでもない第3の道が、水素で走るFCV(燃料電池自動車)だ。全方位戦略のトヨタは、20年にFCVの「MIRAI」をフルモデルチェンジしたが、これは非常に評判が悪い。その理由は、水素ステーションの整備が圧倒的に間に合っておらず、これではうまくFCVが普及したとしてもノルウェーと同様の結論になる。

水素は大型プラントで集中的につくってステーションに輸送されるが、バイオを活用して水素を製造する方式も研究されている。この技術を使えば分散型の水素製造が可能であり、実用化されれば水素ステーション不足の問題は解決する可能性がある。まだ課題は多いが、今後に期待される候補である。

尚、下記の「トヨタが水素に拘る理由🤨」で、私の調査では、『水素は「発電、産業、運輸など幅広く活用されるカーボンニュートラルのキーテクノロジー」であって、この分野は日本が先行し、欧州・韓国も戦略等を策定して追随してきている。今後は新たな資源と位置づけて、自動車用途だけでなく、幅広いプレイヤーを巻き込むことを目指していくべきである。つまり、水素エネルギーは社会で広く活用されるもので、FCVはその一部に過ぎないのである』との結論を得た。

madenokouji358.hatenablog.com

EVの今後はどうか❓

EV先進国の中国では、今EVの大量廃棄が問題になっている。EVはバッテリーが老化すると使用できない。中国各地で役目を終えたEVが大量に放置され、「墓場」が発生しているのだ。

バッテリーはEVの弱点の一つであるが、解決策がない訳ではない。取り外し可能なバッテリー交換方式がある。バッテリーの電気がなくなれば、充電所に置いてある別のバッテリーと交換すれば良い。廃棄の問題が発生しないし、充電の待機時間がなくなるのも良い方法である。このバッテリー交換方式は、かつてアメリカのベンチャー起業「ベタープレイス」が挑戦したが、アメリカは広すぎて全土にバッテリーを用意できなかったため、倒産した実例がある。しかし、国土が狭いイスラエルでは普及した例もある。

一方22年7月、ヤマト運輸トヨタ日野自動車いすゞ自動車が出資するCJPT(Commercial Japan Partnership Technologies株式会社)と、商用電気自動車(BEV)のカートリッジ式バッテリー実用化に向けた検討を開始した。ベタープレイスが失敗したバッテリー交換方式だが、再び注目を集めている。宅配業とバッテリー交換方式のEVは相性が良いのだ。充電所より拠点の数が多く、バッテリーの交換が簡単にできる。住宅街を走るのに排ガスを出さないことも、消費者のイメージ向上に繋がる。商用ならば、バッテリー交換方式が復活する可能性はある。

 

私見

私は23年8月に、下記の「日本の自動車の電動(EV)化、なぜ進まない🚗❗」を投稿した。

madenokouji358.hatenablog.com

当時はEVの勢いが強く、マスコミは『トヨタの「全方位戦略」』を批判していた。私の調査では、「2030年時点で、エンジン車と簡易式を含むハイブリッド車(HV)が世界の主流で、世界生産のうち約9割がエンジン搭載車になる」と記載し、そして「単純にEVが優位と結論付ける事は出来ないと考えられる🚘」と結んだ。その結果、250件以上のご意見を頂戴した。

トヨタ豊田章男会長は、『クルマの動力はエンジンをはじめバッテリEV、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、水素など幅広い選択肢があるものの、「動力はなんでもいいんです❗ 真実はいつも1つ。敵は炭素ということだけです❗」とカーボンニュートラルにはさまざまな道があることを示唆』(下記)している。

car.watch.impress.co.jp

これが前述の『トヨタの「全方位戦略」』で、私にとって最も理論的に納得できる内容で共感できた。豊田会長は、マスタードライバーとしてトヨタ車の走りの味を決めている他、モリゾウ選手としてラリーやサーキットレースに参戦するほどの運転好きである。

最近レクサスで最もコンパクトなクルマが発売され、英国の自動車雑誌『What Car?』によるカー・オブ・ザ・イヤー2024を受賞した。この開発担当者が試作品を豊田会長に見せた時、「これしかできないなら、いらない」との一言だったと聞く。丁度一ケ月先輩の私だが、この拘りを貫く豊田会長を尊敬している🤔

 

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president.jp