Madenokoujiのブログ

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のぞみの車内が「走るオフィス」に🚄

1992年3月営業運転開始の、東海道新幹線「のぞみ」が進化している。30年を超え今の「のぞみ」の平日は、ビジネスマンの「オフィス」化が進行している。

この10月にのぞみ7号車の一部が、3人掛け座席の中央席がなくなって2人掛けになった。その間にはパーティションが設置され、ひじや書類が当たらないようなスペースが拡大した。テーブルもノートPCが使い易いように、手元までスライドできる。

座席の名称は「S WorkPシート」で、従来の「S Workシート」をグレードアップした。追加料金として指定席料プラス1,200円になる。

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声を出したリモート会議も可能に

7号車と8号車の間にある個室の「ビジネスブース」は、試験導入中だった。しかし、10月から順次本格導入が進んでいる。2024年度中に最新車両のN700Sのすべてに取り入れる。そこでは声を出したリモート会議や電話、複数人数での打ち合わせも可能となる。

このブースは乗車後、座席に備え付けのQRコードなどから予約して利用する。料金は10分当たり200円になる(30分まで、以降は10分300円)。

現状、東海道新幹線のビジネスと観光の利用比率は6対4である。しかし、のぞみの平日朝・夜はビジネスの比率がそれ以上に高くなっている。さらにJR東海は東京駅,品川駅,新大阪駅などの主要駅では、リモート会議などに使用可能なブース型(1人用)やラウンジ型(複数用)のスペースも整備している。

「S WorkPシート」は、リクライニング角度を通常席より小さくしている。そのため、シートを大きく倒してぐっすり寝たい旅行乗客などには不満を感じる可能性がある。しかし、移動時間を仕事に使いたいビジネスマンにターゲットを絞った座席となっている。

 

ワゴンの車内販売廃止の理由

東海道新幹線の場合、1日当たり列車本数のピークは2019年度だった。コロナ禍明けで回復しているが、実は輸送能力は限界に達しつつある。今後東海道新幹線に求められるのは、量から質に移ると考えられる。そこで、効率性を重視しながら、高付加価値の提供が必要になる。

11月からはグリーン車のみが、ワゴン販売に代わりモバイルオーダーやサポートコールのサービスを開始した。モバイルオーダーでは、座席から乗務員を呼び飲食物を注文できる。駅ホームには「カタイアイス」などの自動販売機を設置した。これも人員やスペースの無駄を削減し、有効活用を徹底して採算を高めたいJRの姿勢と考えられる。

 

料金にもメリハリを

料金も需給に合わせて、メリハリを考慮されている。今年4月からは他のJR各社と合わせ、東海道新幹線の指定席特急券にあるシーズン別の価格差を拡大している。年末年始やゴールデンウィークなど「最繁忙期」は通常期より400円増しに、「繁忙期」は200円増しにした。その一方で、「閑散期」は200円の割引に設定した。JR東海の場合、年末年始の最繁忙期は12月29日・30日と1月3日・4日で、JR東日本の12月28日~1月6日よりも細かく日程を設定し、顧客の要望に出来る限り柔軟に対応できるようにした。

今後は新幹線でも、航空機,ホテル,テーマパークなどのように、より柔軟で本格的なダイナミックプライシング(変動価格制)が導入される可能性もある。今年から年末年始の東海道・山陽新幹線の「のぞみ」が全席指定となるので、自由席狙いでホームに人があふれる風景も見られない可能性がある。

最大効率を追求したいJR東海の大きな武器は、会員・登録者数が1000万人超に増加した「EXサービス」である。2001年にインターネット予約サービス「エクスプレス予約」としてスタートし、2008年には専用ICカードによる「EX-ICサービス」も開始した。SuicaPASMOと同様に、改札機にタッチするだけで新幹線に乗れるようになった。

ネット上のシートマップで空席を確認して、事前に希望の座席を買える事が可能で、年会費1100円を払えば発券前なら何度でも手数料なく変更できる。たまったポイントでグリーン車へのアップグレードも可能で、出張族のビジネスマンに支持されている。2017年に、年会費不要で既存の交通系ICカードも使えるようになり、現在ではネット予約の比率が半数を超えている。

メリットは顧客だけでなく会社側にもある。切符の発券が減る事で、駅構内の人流は「みどりの窓口」から券売機へ、さらにモバイルへと移動した。空いたスペースは店舗など別な用途で利用できる。首都圏で切符などの販売拠点が少ないJR東海にとっては、「ネット販売=直販」の比率が上がった事で、JR東日本に支払う手数料が大幅に減少した。

 

IT化による顧客の利便性向上

チケットレスは、別な効能も発生している。かつて金券ショップで売られていた東京─新大阪間など新幹線の指定席回数券は2022年3月末に廃止し、転売ヤー達もこのジャンルへの介入が難しくなった。

IT化による効率化は、顧客がどの程度そのサービスを使いこなせるかが、大きく影響する。3分に1本発車する列車に迷わず乗れるのも、発車4分前まで乗車する列車をスマホで変えられるのも、個々の乗客がEXサービスに習熟し、行動できている事が何より大切になる。

10月の東海道新幹線の輸送量は、土日休日がコロナ禍前比で99%まで戻ったのに対し、平日は94%にとどまっている。平日のビジネス需要の方が延ばせる可能性がある。

「のぞみ」は、絶え間ない効率の向上を追求し続けている。

 

私見

東海道新幹線全般の私見については、下記に投稿している。

madenokouji358.hatenablog.com

 

今回は、JR東海が発足後の約30年になる東海道新幹線を調べてみた。

東海道新幹線は1編成で何人運べるのか❓

700系・N700系N700A)は16両編成で1,323席。日本の「町」でもっとも人口の少ない山梨県早川町が1000人程度だから、町民全員を新幹線1編成で運べるということになる。

「のぞみ」が1時間に最大10本、「ひかり」が2本、「こだま」が3本。「のぞみ」だけでも13,230人を運ぶことができる。これは座席定員なので、立って乗る人がいれば輸送人員はもっと増える。

利用者数を東海道新幹線1編成当たりの人数で割ると、202.94編成、およそ203編成が満席だった計算になる。上記1,323席×203編成=約268,500人との数字になる。県庁所在地クラスの市の人口では、例えば茨城県水戸市の人口(約26,9700人)に匹敵する。それに相当する人を1日で、しかも時速300km近いスピードで運んでいるのは凄いと思われる。(2019年7月現在のデータによる)

1987年JR東海が発足した当時の東海道新幹線の運行本数は、1日平均232本であった。内訳は「ひかり」が143本、「こだま」が89本である。2020年6月現在では、1日平均314本になった。内訳は「のぞみ」が164本、「ひかり」が65本、「こだま」が85本である。輸送量は約1.7倍、本数は約1.4倍に増加した。

短期的な増収を視点にすると、ターゲットがビジネスマンになるのかもしれない。しかし、世の中は今後高齢化が進むことは明らかである。高齢者にも優しいユーザーインターフェースの構築を望む😐

 

🟫参考

toyokeizai.net

▶️https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000040495.pdf

 

詳細

toyokeizai.net