オールシーズンタイヤが、四季を通じてどの程度走れるのかを、3年間試した記事の概要をまとめた。尚、この記事は自動車評論家「こもだ きよし」氏の執筆である。
オールシーズンタイヤは「万能タイヤ」ではない
いつも冬の始まりにスタッドレスタイヤに交換し、春先に夏タイヤに戻すというのは面倒に感じると思う。夏にスタッドレスタイヤをタイヤショップなどに保管し、冬に夏タイヤを保管するのもお金が掛かる。
そこで、注目されるのがオールシーズンタイヤだ。これは1年中履きっぱなしでOK。夏はちゃんと普通に走れ、冬に雪が降っても走れるというのがオールシーズンタイヤだ。ただし、夏はスポーツタイヤほどのグリップの強さはないし、冬はスタッドレスタイヤのように雪でもアイスバーンでもオールマイティという訳ではないということを理解すれば乗れるタイヤである。
選んだタイヤは「ミシュラン・クロスクライメート＋」で、冬3シーズン，夏3シーズンでトータル42,704km走行した。オールシーズンタイヤは各社から何種類も市場に出ているが、『「雪でも走れる夏タイヤ」というキャッチフレーズ』に惹かれ、ミシュランを選択した。
東京在住なので雪が降ることはあっても、冬の間も舗装路で走ることがほとんどである。ドライ，ウェット路面でしっかり走れることを重視した。冬に降雪地帯に行くが、そんな時にはアイスバーンに気をつけて走る程度で走破できた。オールシーズンタイヤだがスノーフレークマーク付きなので、高速道路で冬タイヤ規制がかかっても走ることができる。
トランクにはオートソック（布製滑り止め）を備えており、急坂で登れない場合にはこれに助けてもらう。これは3年間で1回だけ使用した。
実際に3シーズン装着し感じた夏と冬の性能
「クロスクライメート＋」を履いて最初に感じたのは、タイヤノイズが静かだということである。V型シェイプのトレッドからのパターンノイズは聞こえてこなかった。ロードノイズも気にならなく、意外にも静粛性は高かった。また、ドライ路面でのハンドリング性能もまったく文句はなかった。
このタイヤでサーキットも走ったが、少し速度を抑えるだけで気持ちよく走ることができた。一般道ではハンドル応答性が素直で良かった。直進付近のニュートラルは遊びが小さく、切り始めたところからノーズが動いてくれる。応答性にクセがなく、高速道路を直進する時も、ワインディングロードを走る時も気を使わずに走れた。接地面が横長でなく縦長になっている感じで手応えもグリップ力に見合ったもので、ステアリングフィールがよく伝わってきた。
このような好印象は、走り込むにつれて悪くなるのが普通である。特にゴムが減ってくるとノイズも大きくなってくるはずだ。しかし、この「クロスクライメート＋」は、40,000km位から路面によって若干打音が聞こえてくるようになった程度であった。トレッドパターンがノコギリ状になる、ヒール＆トウ摩耗もなく綺麗に減った。乗り心地も若干トレッドが薄くなった分だけ、ダイレクトな振動が伝わってくるようになった。42,704km走行した溝深さだが、中央部は4mm程度残っていたが、両サイドは限界まで減ったので、交換が必要であった。
結論としては、「ミシュラン・クロスクライメート＋」を選んで正解だったと感じた。
3シーズン走った冬道でのインプレションは、以下の通りだ。
最初のシーズンは12月にタイヤを履いたばかりだったので、ほとんどスタッドレスタイヤと遜色ない雪道性能であった。トラクションも十分あるし、ブレーキ性能も不安はなかった。コーナリングでは前輪はハンドルがよく効くし、後輪はドライバーの意思で少し滑らせることもでき、安定しており楽しく走ることができた。
2シーズン目になると、前シーズンより雪道でのグリップが下がっているように感じた。平坦な雪道では全く問題なく走れたが、登り坂ではオートソックの助けを1回だけ借りた。この時はもっと雪があれば進めたと思うが、薄い雪で下がアイスバーンのような感じだったので、そこがオールシーズンタイヤの限界だったと思われる。
3シーズン目は2シーズン目より、雪道で滑りやすくなったと感じた。やはり走行して溝が浅くなると雪を掴む能力も落ちるからと思われる。
本格的に雪国で走るとか、雪山によく行くという使い方にはスタッドレスタイヤが良いと思うが、都会派でたまに雪道を走る程度ならオールシーズンタイヤはお勧めである。
私は東京に住んでおり以前は年に何回かの雪のために、夏用タイヤとスタッドレスタイヤの両方を使用していた。しかし、今は高齢者で通勤や冬の雪山へクルマを使う事はなく、雪の予報が出た時は事前の準備でクルマを使っていない。今までは運よく雪が降った時に緊急でクルマを使う事はなく、その場合の対応策は何ら考えてなかった。
この記事を読むまで、「オールシーズンタイヤ」の使用に関して考えた事はなかった。しかし、今回の記事の最後に記載のある「都会派でたまに雪道を走る程度」に該当すると思う。下記のような「オールシーズンタイヤ」の比較なども参考にしながら、準備する事も一案かと感じた🙂
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多分「オールシーズンタイヤ」製造のメーカーを全て調べたつもりだが、私が装着を考えているクルマのサイズが存在しないのだ😟
