Madenokoujiのブログ

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「脳トレ」はNG❗❓

医師であり、医療未来学者の奥真也氏は、人が既に病気では簡単に死ななくなりつつある事、医療の驚くべき進歩を予測。近年の「脳トレ」ブームについて、本当に効果があるのかを前提から見直す。

 

脳トレ認知症予防に有効❓

クロスワードパズルなどを解いて脳の認知機能を高めることを目的とする「脳トレ」がブームで、認知症の予防にも役立つと言われている。ただ、脳トレの効果は議論が続いている。

2018年には、イギリスの医学誌『BMJ』が、「クロスワード数独を解いても知力低下は防げない」と示唆する、イギリス・グランピアン州国民保健サービス(NHS)の研究者の論文を掲載して話題になった。他方、クロスワードなどが高齢者の脳の活性にはよい効果があり、ワーキングメモリー(短い間、脳に情報を保持しておく能力)のテストや認知症テストの高得点に繋がっている事が世界でも日本でも多数報告されている。

脳トレを全否定しないが、今の「猫も杓子も脳トレ」という状況には違和感を感じると。少なくとも、脳トレの前提になっている「脳は鍛えれば鍛えるほど活性化する」という見方に対して、「本当か❓」と考える。うつ病などで長期離職した人の復職に際し、精神科医が「あまりものを考えないようにして下さいね」と指導することがよくある。うつ病の話が認知症に直接繋がる訳ではないが、頭を使い続けることが必ずしもよくない事は、認知症以外の精神疾患領域ではそれなりに根拠もある事だ。

人間の臓器をなるべく「節約」しよう、それでも寿命に達してしまった臓器は人工臓器に取り替えよう、というのが長寿時代の重要な処世術なのだ。それなのに、数ある臓器の中で脳だけが例外で、節約するどころか逆に酷使すれば良いという話は、疑いの目で見ざるを得ない🤔

 

■やりすぎは良くない❌

1990年代くらいまで、脳科学がまだ黎明期であった時代には、「人間の脳細胞は通常30%程度しか使われておらず、残りの70%の能力は眠っている」とよく言われた。そうした主張の根拠になっていたのが、脳出血や交通事故などで脳の大きな部分を損傷した人が、その後徐々にもとの機能を回復できた例が多く見られた事にあった。

ただ、この説はもはや主流ではない。どうやら人間の脳はもっと機能分担がはっきりしているようなのだ。これは1990年代に、脳の部分ごとに物質濃度を測定できる機能的MRIの技術が確立してから徐々に分かってきた。例えば、大企業が製造部門と経理部門、販売部門などと部署が分かれていて、それぞれ繁忙期も異なれば営業時間帯も違う。同様に脳の中の部署も自分の出番が来ないときは活動をセーブするだけで、眠っている訳ではないとの事だ。おそらく身体を動かす運動と同じように、脳トレにもよい部分もあれば悪い部分もあるだろう。ウォーキングのような適度な運動であれば医師の立場からも健康のため奨められるが、これが嵩じてマラソンをする、果てはトライアスロンに参加する、までになると健康維持目的でお勧めできる範囲を遥かに超えてしまう。

運動は適度にやる分には良くてもやりすぎはよくない。脳トレも同じで、やりすぎは良くない。「脳トレ」と総称されるゲームの中には、高齢者が機能保持目的で「脳を鍛える」のにむしろ不向きなゲームも含まれていると思う🫤